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「トイレビル」の話―女性の地位向上―

               輝いてやがて消えゆく農村女性(2)               ☆「トイレビル」の話―女性の地位向上― これまで述べたように、いろいろ問題は残されてはいたが、ともかく都市、農村ともに女性にはよい社会に変わってきた。それをもう一つ、農学系の大学での女子学生を例として見てみよう。 前に述べたように、60年代には男女ともほとんどの子どもが高校に入学するようになった。「十五の春を泣...

「ポストの数ほど保育所を」

               輝いてやがて消えゆく農村女性(1)                ☆「ポストの数ほど保育所を」 「結婚退職」、これがかつては普通だった。女性はみんな結婚すると勤めをやめた。会社によっては結婚退職を内規で定めていたところもあった。もちろんこれは労基法違反なのでそんなことを決めていないところの方が多かったが、会社側は当然やめるものとしてやめさせた。女性もそれにほとんど抵抗せず...

変わらない農村女性

               変わり行く生産と生活の仕組み(9)                  ☆変わらない農村女性 宮城県中新田町平柳(現・加美町)に集落を基礎にした全面共同経営がある。1962(昭和37)年、集団栽培の導入を契機にして設立され、現在まで続いている非常に優れた経営である。できてから14~5年たったころだと思うが、調査に行ったとき組合長に聞いてみた、共同を進めていく上で一番苦労したの...

農家の嫁(5)

       ☆女性参政権を行使できなかった母 ちょっとだけ敗戦直後のことを先取りして言わせてもらうが、一九四六(昭和二十一)年四月十日、新憲法を定める戦後初の国会議員選挙が行われた。この選挙で、政治的に無権利におかれていた女性が初めて選挙権、被選挙権を行使した。まさに画期的な選挙であった。初めて選挙というものを知った子どもの私も非常に強い関心をもって見ていた。 ちょうどその二日前の四月八日、私の...

農家の嫁(4)

             ☆無権利の女性 女性だけが家事・育児に従事させられても、その分野に関しては女性が裁量する権限をもつというのであればまだいい。男は何もしないのだから、本来ならそうあるべきである。しかし、決定権はもちろん発言権すらなかった。女性は、ましてや嫁は家族の一員として対等ではないし、財布を握っていないのだから当然のことであった。しかも子どもは家のものであり、夫婦のものではなかったので...

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プロフィール

酒井惇一

Author:酒井惇一
元・東北大学農学部教授
元・東京農業大学生物産業学部教授
現・東北大学名誉教授

 本稿は、昭和初期から現在までの4分の3世紀にわたる東北の農業・農村の変化の過程を、私が農家の子どもとして体験し、考えたこと、また農業経営研究者となってからの調査研究で見、聞き、感じたことを中心に、記録したものである。

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